かき氷屋を開業するために必要なこと&成功のポイントとは??

この夏、かき氷屋を開業しようと考えている方に向けて、開業に絶対に必要な準備内容や成功のポイントとなる考えをまとめてみました。
「初めての飲食店営業で、まず何から始めたら良いのかわからない・・・」という初心者の方も安心して下さい。
項目を一つ一つクリアして、着実に準備を進めていきましょう。
理想のかき氷屋の完成は、準備が肝心です。

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利益が出せる理由その①

コストがかからないことです。

かき氷を提供するにあたり必要な作業と言えば、大きく分けると「かき氷の製造・盛り付け準備・接客」の3点です。提供までの工程が少ないこともあり、人件費をかなり抑えることが可能になります。また、かき氷を作ることにおいても氷を削って盛り付けるだけで、特別難しい技術が必要と言うわけではないので、多くの経験を積んだ料理人でなくとも、素人から始めて早い段階で商売にすることが可能です。工程全てがアルバイトでも充分に賄えてしまうのです。そこでもまた、特別な技術を持った人を雇う必要が無いので、人件費を抑えることに成功します。

現在売られているかき氷の平均価格は800円前後と言われています。
物価高騰により今後は多少の金額変動があるかもしれませんが、これを基準に考えていきますと・・・
人気店は冬でも週末は1日に200杯、夏はその数倍売れると言われていますので、単純計算で1杯800円として、冬場にも関わらず1日20万円以上の売り上げを出すことが出来ます。
この数字だけで見ると、一般的なご飯系の飲食店にも勝るくらいの金額ですね。

氷の原価は、今人気の高いふわふわ系の天然氷で考えてみると、氷一貫(3~4キログラム)7,000円とすれば、1貫で約30杯作れるので1杯当たり233円です。
氷の仕入れ先によって天然氷が高価ならば、工場で作られる純氷に変えるだけでもっとコストを抑えることが出来ます。
次にシロップですが、こちらもどのような素材を使うかによって異なります。例えば日本人の大好きな抹茶テイストのもので考えてみましょう。そうすると、濃厚抹茶シロップというメニューがあるとすれば、原料は牛乳200CCを40円と抹茶の粉末10グラム70円、はちみつ30グラム60円に、トッピングのあんこで50グラム30円・・・全部合わせると200円という計算になります。氷と合わせれば433円と言う原価で1杯のかき氷を完成させることが出来ます。
良い材料を使えばもっと金額は上がってしまいますが、反対にもっとコストを下げる方法もたくさんあるのです。今回は中間よりも少し上のレベルの材料で考えているので、1つの基準にしてみてください。

これらから考えると原価率は54%となるので、飲食店の原価率から見ても決して安いとは言えないのですが、では、なぜかき氷が儲かるのか・・・?

それは、他にも光熱費や人件費を含めた粗利を考えると、一気に数字が変わるからです。
実はかき氷は先述したように人件費があまりかからない上に、氷を削るだけなので光熱費もそれほどかかりません。こうした事情から、かき氷店が利益を多く出すことが出来るポイントが隠されているのです。原材料に関しては個別交渉によってもっと落とすことも出来ますし、かき氷は提供までのスピードが速いことやお客様の食べるスピードも速いので店内の回転率も良いと言われています。このような点からも、他の飲食店よりも利益を出しやすいと言われる理由です。

原価率の計算はとても重要で、開業する際の価格設定を間違えてしまうと後々かなり損をしてしまうことがありますので、ここは慎重に決めていくようにしてください。

利益が出せる理由その②

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付加価値を付けやすいことです。

全てのサービスには、ベースとなる価値が存在します。
例えば美容院ならカットやカラーの技術、パーマの技術など・・・
スマートフォンやパソコンならば電話が出来ることやメールが送れること、ネットが繋がる事が挙げられます。
こうした当たり前に持っておかなければならない価値がありますが、付加価値とはその先にあるものを指します。
この付加価値を積み上げていくことによって、価格という数字だけでなく、“価値”としてお店を選んでもらえるようになるのです。
コンテストで優勝し、有名人を多数カットした経験を持つ美容師、超高画質の4Kで動画撮影が可能なスマートフォン・・・など、全てのものに備わっているわけではないプラスαの要素と言うわけです。
かき氷もこれと同じで、他のお店にはない“違い”を見出せるほど希少性の高い付加価値となって、商品やサービスを平均価格よりもずっと高い金額で売ることが出来るようになるのです。

かき氷なんてお祭りの屋台で200円で買って食べるものだろうと、多くの人に当然のように思われていた時代があったかもしれませんが、今では1,000円以上のかき氷を提供するお店が全国に多数存在します。「たかが氷に1,000円なんて・・・」と思う人ばかりではなく、そこに価値を感じて実際に食べに行く人々がいるからこそ、お店が存続できているわけですから、付加価値とはすごいものですね。某人気かき氷店では、1杯1,500円のかき氷が500杯以上売れる日もあるのだそうです。メインとなる夏のシーズンでは全国各地からお客様が集まり、まるで人気テーマパークのように開店前から行列ができて数時間待ち・・・なんていう状況も頻繁にあるのだそうです。かき氷の相場からして1,500円という金額はかなり高いのにも関わらず、本当に驚きですよね。
なぜそこまで売れるのかと言いますと、そのお店では氷に既製品のシロップをかけるのではなく、全て自家製の蜜を使って完全無添加のものを提供しているようです。果実100%を徹底し、仕入れ地もこだわり抜いて選んだいちごから作り出した蜜と、日本最高峰の氷室と呼ばれる天然氷を使用するという、とにかく材料にプライドをかけたかき氷で勝負しているからこそ、高級感と安心感が大人のグルメ通達の心に刺さり、話題となって広まっていったのです。『貴重な果物と貴重な氷を使ったかき氷は、そこのお店でなくては食べられない!』これこそが付加価値です。

かき氷はこうした付加価値を作りやすいもので、例えばシロップを何十種類も用意して選ぶ楽しさを加えてみたり、見た目が他のお店とは違うユニークさで勝負したり、こだわりを形にしやすいのが特徴でもあります。コンセプトとなる方向性をしっかりと決め、そこにプライドを持って追求することが出来れば、そこにしかないかき氷店を作ることが出来るのです。

自分が何で勝負したいのか、多くのお店を見てみながら自分の強みを見つけていってください。こうした成功例があるので、今後もっともっと面白いかき氷店が出てくることを期待しています。

利益が出せる理由その③

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幅広い層をターゲットにすることが出来ます。

かき氷は老若男女問わず多くの人に愛されている食べ物です。特に高齢者はクレープ屋さんやハンバーガーショップのような、若者に人気のお店は避けてしまう傾向が強いと言われています。

しかし、かき氷は古くから愛されてきた夏の定番とも言えるスイーツです。昔ながらの味を楽しみつつも、現代の進化したかき氷は高齢者の方にも意外と受け入れてもらいやすいのです。

夏以外ではあまり積極的に食べることは無いという方もいらっしゃいますが、かき氷が大嫌いだと答える方も珍しいくらい、特別に苦手な方はいないという印象がありますね。家族連れで休日のお出かけにも良いですし、カップルのデートでちょっと休憩・・・と立ち寄ったりも出来ますし、女性同士の友人で連れだったり、それこそおじいちゃんおばあちゃんが孫と一緒に食べるのにも、みんながお店に入りやすく、そして楽しめるスイーツと言うのはなかなか無いのではないでしょうか?これこそが、かき氷の強みとも言えます。例えば子供向けのものならばカラフルなシロップをデコレーションしてみたり、大人向けには深い味わいのあるシップや高級フルーツを乗せてみたり、それぞれの年代に合わせたメニューも割と簡単に作ることが出来ます。

飲食店を始めるにあたり、ターゲットを決めてメニューを打ち出すパターンは多いのですが、最近ではSNSの普及によって、例えばinstagramでいかに多くの人の目に留まり、実際に足を運ばせることが出来るのか・・・と言う部分が重要になってきました。そしてそれに伴って、フォトジェニックを意識した商品開発も重視されていますね。ここの部分に関して言えば、若い女性を中心にウケの良い商品を提供することが望ましいとされています。
かき氷は形を様々に変えて見た目に拘ることが出来るスイーツですので、“インスタ映え”を狙った盛り付けも挑戦しやすいですね。SNS集客を行い、テレビで紹介される際にも美しいと思わせる盛り付けを工夫すれば、画面いっぱいに広がるキラキラしたかき氷で、視聴者を魅了することが出来ます。見た目の美しさもまた、老若男女問わず多くの人の心を掴むことが出来ますね。

苦手な人が少ない食べ物でありつつ話題性を作りやすい食べ物という点は、今の時代にマッチしていて、初めて飲食店経営に挑戦される方でも手を出しやすい部分が大きいのではないでしょうか。
立ち食いそば専門店・・・となれば、なんとなく大人の男性客をイメージしてしまう方が多いと思いますが、かき氷ならば誰が来てもおかしくないという、ターゲットを消費者側に選定されてしまう心配が少ないという利点を大いに活用することが出来るので、是非とも多くの層に愛されるお店作りを目指していただきたいと思います。

開業に必要な資金はどのくらい?

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かき氷屋の開業に必要な初期費用は500万円程度となっています。
一般的に飲食店の開業資金が1,000万円~1,500万円と言われていることと比べてみると、かなり安く抑えることが出来ます。かき氷屋は敷地が狭くてもかき氷機があれば営業が出来るため、あらゆる飲食店の中でも、開業資金が低く設定されています。道具を中古で揃えたりすることでさらに費用を抑えることができ、万が一ビジネスに失敗してしまったとしても、多額の借金を背負おう等のリスクを減らすことも出来ます。そういった面でも、近年のかき氷店の普及へと繋がって行ったのだと思います。

では、500万円の内訳を見てみましょう。

1つ目に、物件(お店の賃料)15万円です。
それほど大きな店舗は必要ありませんので、10坪~15坪があれば良いと思います。
かき氷はあまりゆっくり食べることは出来ないので、回転率の高さを考慮しても、このくらいの広さが望ましいでしょう。また、厨房もそれほど広くなくても調理が出来るので、厨房面積も他の飲食店と比べて抑えられますね。立地にもよりますが、このくらいの金額で物件が見つかると理想的です。しかし、最初に1年間の保証金等を納めなくてはいけないこともがあるので、その分として100万~200万程度、別で用意しておくと良いでしょう。

2つ目に、内装と外装の工事費です。
こちらは幅広いのですが、250万円~600万円程度で予算を組んでおきましょう。工事内容としては、設計監理・内装工事・厨房工事・外装工事の4点で、それにデザイン設計代がプラスされてこのくらいの金額になると言われています。こだわるほどに費用はどんどん増えていってしまうため、見積もりを出してもらってから、どこを最重要ポイントしどこを削れば良いのかなど、材料費を抑えられるように相談しながら最終決定をしていきます。DIYが得意な方は内装をご自身で行い、壁にペイントをしたりすることで費用抑えていらっしゃいますし、デザインが得意な方はあえて自分でやってみたいという考えも多いのです。ペンキ塗り程度なら出来る!看板は手作りで!など、自分で出来る部分は外注しない方法を取ったり、通販等で買い付けたりして、取り付けのみをお願いする方法も費用を抑えることに繋がります。

3つ目に、設備費用35万円~100万円です。
かき氷はこの設備費用が少なくて済むと言われています。氷やシロップ等を冷やすのに必要な冷凍庫と冷蔵庫が合わせて30万円~80万円。そしてかき氷機が5万円~15万円です。この3つがあればとりあえず最低限の設備整います。置き場所もさほど必要ないので準備がとても簡単ですね。

4つ目に、その他の費用として15万円~80万円程度を組み込みます。
そこには集客に必要な広告宣伝費として10万円~20万円、水道光熱費として5万円~10万円。そして1人でやられる方は必要ありませんが、スタッフを雇う場合の人件費が50万円です。かき氷屋の場合、小さな店舗で自分でやるという方が多いので、ここは個人差がありますね。

全体として最初に最低限必要なものとしての計算ですが、何にどのくらいかかるのか目安にはなると思います。
誰かから譲り受けたりすることで、もっと費用も抑えられることもありますが、意外とお店を作っていく途中で希望がどんどん出て来てしまって予算オーバーするパターンも多いので、何かの時に使えるように初期費用はできるだけ多く準備しておくことが望ましいです。

開業に必要な手続きとは?

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かき氷店を開業するには、「飲食店営業許可証」もしくは「喫茶店営業許可証」が必要となります。
かき氷屋は「喫茶店営業許可証」でも提供することは出来るのですが、提供可能な食事が限られてしまうため、今後の展開で様々なメニューを増やしていこうとお考えの方は、「飲食店営業許可証」の取得をおすすめします。
準備の関係で設備都合上「喫茶店営業許可証」のみの取得になってしまう場合には、管轄の保健所に提供することが出来るメニューの内容を確認しておきましょう。

まず、営業許可を得るためには「食品衛生管理者の設置」が必須です。
1店舗につき1人以上の食品衛生管理者をおく必要があり、店舗の掛け持ちは不可となっているので、何店舗も展開をお考えの方は注意してください。
調理師・製菓衛生士・栄養士・船舶調理士等の資格をお持ちの方はなることが出来ます。
資格を持っていなくとも、食品衛生管理者養成講習会を受講することで資格を取得することが出来ます。

次に、「食品衛生許可申請」も必須となります。
これは各地域の保健所に申請することで許可を得られますが、申請から許可まで2週間ほどかかると言われているので、早めに準備されると良いでしょう。
かき氷以外のスイーツを提供する方は、さらに「菓子製造許可申請」が必要となります。
洋菓子や和菓子、そしてパン等を製造したり販売したりする場合に、食品営業許可申請と一緒に保健所に申請しておくと良いと思います。

営業許可取得の流れとしては、①保健所に事前相談、②許可申請提出、③施設検査を受ける、④営業許可の交付という順番になります。
注意していただきたいのは、施設検査があるという事は、万が一指摘を受けた際には設計や工事のやり直しを求められる可能性があるという事です。そのため、設計や工事の打合せ段階の時点でこの申請について相談を始める必要があります。お店作りにあたって割と早い段階で動く必要があるという事を忘れないようにしてください。
保健所の検査に合格するためには、意外と細かいローカルルールがあったりしますので、窓口の無料相談等を活用してしっかりと漏れがないように確認してください。
施設検査では、照明・厨房・トイレ・厨房と客席の距離について確認されます。お店全体が明るいかどうか、食器棚に扉が付いているのか、掃除しやすい床や壁であるのか、ごみ箱の設置されているのか、トイレが衛生的で手洗い場が付いているのか、冷蔵庫や冷凍庫に温度計が付いているかなど、かなり細かな部分まで見られることを想定しておいてください。

営業許申請に必要な書類は、次の通りです。
① 食品衛生管理者資格を証明する書類、②飲食店営業許可申請書、③場所の見取り図、④営業設備の大要や設置図、⑤内装の配置の平面図、⑥法人の場合は登記事項証明書・・・と、揃えるものが多いので一つ一つ確認しておきましょう。
営業許可申請書と営業設備の大要は、保健所窓口や自治体のホームページからも得られますが、必ず管轄内のものを使用してください。
内装の平面図は内装工事業者に予め依頼しておくとスムーズです。
営業許可は永久的なものではないので、既に取得されている方も更新が必要な場合もあります。
一般的には5年~8年ほどで切れてしまうため、更新の手続きは有効期限の1ヶ月前までに行うことが推奨されていますので今一度確認しておいてください。

レストランや居酒屋メニューに加えるかき氷。

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最近では高級レストランや居酒屋でもかき氷を提供するお店が増えてきています。カフェで出すかき氷とはまた一味違っていて、こちらもとても好評です。キンキンに冷えたユニークなメニューが、夏になると多くのお店で続々と登場するようになりました。食欲が減退しがちな時期にレストランや居酒屋を経営している方は、かき氷を使った新メニューの開発も売り上げアップに繋げられるかもしれません。
また、SNSにもバッチリ映えるような見た目ならば、話題になって新規顧客の取得にも繋げられるでしょう。
参考までに、これまで実際に店頭で出された素敵なメニューをいくつかご紹介します。

1つ目は、氷のコンソメというもので、料理のトッピングとしてコンソメ氷をキラキラとまぶしたものがありました。お客様の目の前で氷のコンソメを削ってトッピングするというパフォーマンス付きで、ライブ感のある演出が食事の時間をより一層楽しませていました。
夏限定の冷たいスープメニューに合わせて氷をトッピングするというのは、なんとも涼しげで、また目の前で料理の完成を見られるのはなかなか経験できない事でもありますから、話題性はバッチリです。パフェやアイスクリームなどのデザートだけでなく、料理でも冷たい食感と見た目を味わえるのは新感覚ですよね。
コンソメ氷は今では多くのシェフに評価されて、全国的にも広まってきています。

2つ目は、鍋の中にかき氷を入れるという氷鍋メニューを広めたお店もあります。
鍋メニューは居酒屋でも提供しやすいと思いますが、普通のお鍋の具材にシャリシャリ食感のかき氷をたくさん入れて、冷たさを長続きさせつつ、しっかりと氷の食感を楽しむというものです。溶けた場合のことを想定して、普段よりもスープを濃い目に作ることがコツだそうです。
鍋と言えば熱い熱いと言いながら食べるイメージですが、夏だからこそ、それを逆にして冷たさを味わう鍋というのもユニークですよね。夏バテ防止の意味を込めて、多くの人にお肉や野菜を食べてもらいたいというお店からのメッセージも感じられる素晴らしい商品です。

3つ目は、飲み物とかき氷の組み合わせです。レモンサワーやワインなどのお酒にかき氷を入れて、溶かしながら飲むというものです。中には、有名な氷菓をそのまま入れて、メニューにも商品名をそのまま使用した“○○レモンサワー”などと謳っているものもありました。
こちらはレストランでも居酒屋でもどちらで取り入れやすいのが特徴です。お酒と合わせると、溶けた時にアルコールが薄まるのが丁度良いのと、いつも以上に濃いめの味を楽しめるという点が人気でした。ちょっとした遊び心が含まれているのが、大人にはたまりませんよね。
懐かしさを感じながらお酒を楽しむというのも、夏のお祭り気分を感じられてとても良いと思います。

このように、普段のメニューとかき氷を組み合わせたり、普段のメニューにプラスして夏限定メニューとしてかき氷を取り入れたりすると、より一層お客様に喜んでいただけるのではないでしょうか。

カフェや喫茶店メニューに加えるかき氷。

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飲食店の中でもカフェや喫茶店の経営は難しいと言われることが多いです。
最近では家庭や職場でのコーヒー需要の拡大や、コーヒー消費者の高齢化、利益率の低さなどから、カフェの経営はなかなか継続し難く、集客が厳しいという声が増えています。コンビニで飲み物や軽食は買うことが出来ますし、自動販売機でも美味しいコーヒーを買うことは出来ます。そういった環境の中でカフェに来てもらうためには、自店の付加価値やアピールポイントを見出していく必要があります。

そもそもなぜ、人はカフェに行きたいのかという根本を考えてみましょう。例えばカフェ利用者の理由として、空き時間に座れる場所が欲しい、恋人や友達とリラックスしながらお茶を飲みたいなど様々ありますが、双方は求めるものが異なります。前者は凝ったサービスよりも、迅速な対応で使いやすさや立地が優先です。しかし、後者はお店の雰囲気やサービスの質が優先です。また、流行りの隠れ家的なカフェの人気は、まさに付加価値を利用した集客になっています。こうしたカフェを利用する人の声に耳を傾け、どのようなサービスを加えたら利益率を上げてより多くの方にお店に足を運んでもらうことが出来るのか・・・と考えた時、「かき氷」はとても良い武器となります。

かき氷は期間限定で夏にのみ提供するのも希少価値が上がりますし、反対に、食材と違っていつでも季節問わず提供しやすいという特徴を活かしてレギュラーメニューに加えることで、「ここは1年中かき氷が食べられるカフェなのだ」という付加価値を作り出すことも出来ます。また、コーヒーが自慢の喫茶店ならば、コーヒーを使ったかき氷を提供するのも、多くの方にコーヒーを味わってもらうきっかけを作ることが出来ます。実際にコーヒーは普段飲まないけれど、コーヒーゼリーやコーヒー味のアイスは好きと言う方も多いのです。
かき氷機ならば置くスペースもさほど取らないことから、新たに設備として加えてもあまり支障が出ませんし、アルバイトの人でも簡単に調理が可能という点は、そこまで難しく考えなくても大丈夫そうですよね。

思い切って夏はかき氷屋として、かき氷をメインに提供してみるのも、最近のかき氷ブームに乗っていて成功しやすいかもしれません。老舗で顧客が定着しているお店ならば、きっと馴染みのお客様が珍しがって注文してくれると思いますし、新しい若者向けの雰囲気のカフェならば、SNS映えを狙うことで口コミが広がって新規顧客へと繋げていける可能性も高まります。手を出しやすいかき氷だからこそ、低コストと低リスクで挑戦できるので今が狙い目の戦略だと思います。

大手チェーン店でもかき氷の提供を始めるところが増えていますが、それぞれオリジナリティ溢れるかき氷で勝負しているので、普段提供しているお店のメニューとかけ離れていても、かき氷はかき氷としてこだわっていくのも良いでしょう。実際に大手の洋菓子専門チェーンでも、かき氷や冷やし中華など、夏は全く別のものを合わせて提供している例がありますので、安心してください。

素材にこだわったかき氷。

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最近では多くのメニューを抱えるなんでも屋さんと化した総合居酒屋が衰退しつつあり、大急ぎで業務変更に取り組んでいるお店が増加しているほど、こだわりを持ったものを提供するお店に注目が集まっています。
こだわりは当然ながらお店ごとに異なりますが、調理の仕方にこだわる・安全性にこだわる・食材の品質にこだわるなど、方向性は様々です。

例えば国内のどの産地で生産されたものなのかを知りたいという声が多く、次に農薬を使っていないことなどの安全性、そして鮮度や味が重要だと答える方がいるように、値段が安ければ良いというわけではなく、高くても安心できるものや身体に良いものを買いたいという考えの人が増えているように感じます。
かき氷も同じく、氷やその上にトッピングするフルーツや抹茶、そしてシロップの原材料なども、こだわりを持って選ぶことが顧客への興味や関心に繋がり、そこに価値を見出した人がお店に訪れてくれるのです。

産地にこだわるメリットとして、安全性を重視する消費者へアピールできる・ブランドイメージを利用できる・美味しさを追求できる・商品への特別感を訴求できる・店舗のイメージアップに繋がる・固定顧客が増えるといったものが挙げられます。産地が分かっているという事は、どこの誰が作ったのか分からないものではなく、生産者の顔が見えるという安心感があります。また、「○○産いちごを使ったシロップ」という謳い文句は、ただのいちごシロップと伝えるよりも特別感が増しますね。メニューにどこの食材を使っているのか説明を加えるだけで、食べた人は何の説明が無い状態よりも美味しいと感じやすいのだそうです。

フルーツは特に有名な産地がはっきりしているので、作る側も“旬のフルーツはこの産地で仕入れる”という選び方をすれば、安心して確実に美味しいものを使って提供することが出来ます。毎年同じ時期に同じ産地の同じ食材を使用し、そしてそれが確実に美味しいとなれば、顧客は「毎年この時期にあそこのお店へ食べに行こう」と計画的に来店してくれるようになり、固定客を掴むことにも成功します。産地にこだわることで定期的な来店を促すことにも繋がるのです。こうした積み重ねがお店のイメージアップになり、メディアで特集が組まれた際に取材依頼が来たり、口コミで広まっていったりします。食材の産地へのこだわり=味と鮮度へのこだわりと解釈されますので、このお店は絶対に美味しいはずだと思わせることが出来ます。

しかし、実はデメリットもあります。
それは、原価が高くなることと食材の選択肢が狭まることです。
食材が安全で美味しいという事は、その分手間暇をかけて作られているという証でもあります。当然ですが仕入れ値が跳ね上がり、原価がアップするので利益率が下がる可能性も出てきます。そして、「この時期は○○産のこれを使う」と決めてしまうのは、仕入れの選択肢が減る事でもあります。原価が高くなってしまっても、メニューに載せている以上絶対にそこで仕入れる必要が出てくるのです。毎年安価なお店を選んで仕入れることは出来ませんし、その産地に災害が起きて仕入れ自体が物理的に不可能な状況になってしまった時に、どうするのかという問題も生まれます。そういった場合の解決策も視野に入れておく必要が出てきます。

しかし、全体的に見れば、素材にこだわるという事は営業利益的にはとても有効な戦略と言えます。デメリットを上回るだけのメリットもあるので、原価が多少上がっても集客が上回って売り上げを伸ばすことが出来れば、利益は高いままキープすることが出来るのです。
産地を選ぶ際には、食材と産地がブランドとして成り立っているものを選び、そしてお店のコンセプトとマッチしているものを選びましょう。

コンセプトの設定を明確に。

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コンセプトとは、お店が提供する価値や方向性を示したものです。お店から顧客に対してのメッセージにもなるため、コンセプトの設定は飲食店を開業するための第一歩としてとても重要です。例えば、『家族みんなで楽しめるかき氷』をコンセプトに掲げたとして、決めるべき事項の判断軸には必ず『家族みんなで楽しめる』を起点として考え、迷った時の原点にもなります。これを決めることによってお店の一貫した方向性を保つことが出来ます。
コンセプト設定しないまま開業することも出来ますが、決めるべき事項の判断で迷った時に役立つので、設定することをおすすめします。

混乱してしまいがちですが、テーマとは「主題」を表し、飲食店においてはそのお店を通じて実現したい主題になります。コンセプトを考える時に、まずはこのテーマから考える必要があるため、事前に決めておくとスムーズです。
キャッチコピーとは「人の注意を引く宣伝文句」を表し、飲食店においてはそのお店のコンセプトを伝えるために工夫された宣伝文句のことを指します。これはコンセプトの設定と併せて考えておくと良いでしょう。
最後にコンセプトとは「全体を貫く観点や考え」を表しているので、それぞれ似ているようで非なるものなのですが、どれも開業するにあたって必要な心構えであることはお分かりいただけたと思います。

ここからはコンセプトを作る時の流れをご紹介します。
作り方は様々ありますが、いくつかの工程に分けることによって段階を踏みながら設定していくと良いと思います。

まず①にお店の主題となるテーマを決める、②にテーマをコンセプトに落とし込む、③に設定したコンセプトを見直す・・・という順で作っていきます。

①に関してですが、お店のテーマは開業の動機や理由から振り返ると思いつきやすくなります。例えば開業の動機として、「この産地で取れた果物をより多くの人に食べてもらいたい」など、思いつくままに書き出してみてください。テーマには正解はありませんので、自由に自分の気持ちを出していくのがコツです。飲食店とその他の要素を掛け合わせるのも方法の一つです。音楽がお好きな方なら、「食事をしながらジャズが聞けるお店」というのも素敵ではないでしょうか。

次に②に関してですが、テーマをコンセプトに落とし込む時には、顧客へ伝えたいメッセージを言語化してみましょう。お店に対する思いや考えを、顧客となる人物を想像して自分の気持ちを伝えるように考えてみてください。誰に?いつ?どこで?何を?いくらで?どのように?など、お店作りの根幹となる部分を明らかにしていくと自分の中にあるメッセージがはっきりと浮かび上がります。テーマが「産地で取れた果物を食べてもらいたい」なら、「高級○○産りんご100%からなるシロップを使ったかき氷を、ゆっくり大人に食べてもらいたい」など、テーマをより詳しく具体的にする感じで考えると思いつきやすくなります。

最後に③に関してですが、テーマとコンセプトの整合性が取れているのか、事業として実現可能か、そしてメッセージとして伝わっているのかなどを見直します。もしも身近に飲食店経営者がいるのであれば、客観的にアドバイスを貰うのも手でしょう。

主役を決める。

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かき氷と言えば○○、この店は○○かき氷・・・など、主役となるものを決めて商品を打ち出すのはとても有効的です。

最近のかき氷は、氷の上に乗っているトッピングやシロップの面白さに注目されるものも多いのですが、完全に“氷”そのものを主役とし、とにかく美味しい氷を使ったかき氷という事で、潔く方向性の舵を切るのも素敵なお店になると思います。

氷の種類や状態によってかき氷の味や食感は驚くほど変化します。
まず氷にはブロック氷とキューブ氷に分かれ、それぞれ削り方が全く異なります。
ブロック氷とは柱上の大きな氷の塊で、現在ほとんどのかき氷専門店では製氷会社で作られた純氷のブロック氷を使用していると言われています。
純氷とは透明度が高く、簡単には溶けにくいという特徴を持っています。
家庭用の冷蔵庫で作られる氷はマイナス20℃ほどで急速に冷やして作られますが、純氷はマイナス10℃くらいの温度でじっくりと凍らせることで、白く濁らずに透明度が高い氷になるのです。

このブロック氷は、まるでカツオ節を削る時のように大きなストロークで削ります。
そのため、薄く長く削られた氷はふわふわとした食感になり、口の中でとても滑らかに溶けていきます。
という事は、屋台で売られているようなシャリシャリとした食感のものは、キューブ氷を削ったものだという事です。
好みにもよりますが、ふわふわ食感が好きだと答える人の方が圧倒的に多いという結果があります。
また、氷は冷凍庫などで保存されている場合ほとんどがマイナス20℃以下になってしまうのですが、薄く長く削るには冷やしすぎてもいけません。
そのため、氷を冷凍庫から出した後に、マイナス10℃以上まで温度を上げた状態にしてから削る必要が出てくるので、ここが大変なところでもあります。

そんなブロック氷の中でも、こだわり抜いた天然氷の使用はとてもおすすめです。
天然氷はその名の通り機械を使って製造したものではなく、山中などで冬の寒さを利用して、何日もかけてゆっくりと自然の力だけで冷やして固めた氷です。
氷の生産量には限りがあり、また、かき氷の本番である夏場まで保管しておく氷室と呼ばれる蔵も必要なため(氷室は現在数カ所しか存在しません)、とても希少価値が高いものなのです。
日光や八ヶ岳と言った自然が豊かで冬の寒さが厳しい環境で作られています。
その土地によって水質が違うので、味や質感も変わるのが特徴です。

このように氷にこだわり、氷を主役としたかき氷は、実際に多くのお客様に好評です。
特別感があることから大人をターゲットにして成功を収めています。
コンセプトが決まれば、こうして主役をどこに置くかという事もきっと明確になってくるはずです。

材料仕入れ先の選定。

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コンセプトが決まれば、次はレシピ・メニュー作り、そして仕入れ先の選定です。
コンセプトに基づいて具体的にどのようなかき氷を提供していくのか、メニューの考案とその味を再現するためのレシピを、試作を繰り返しながら作っていきます。
また、この試作の段階で氷やフルーツ、シロップなどの材料を仕入れる卸売業者なども同時に探していきます。

仕入れ先の選定で注目すべきポイントがあります。

① 商品が多種であることです。
商品が多品種という事は、消費者へのセールスポイントとして信頼が得やすいものです。多品種の仕入れ先があると商品のラインナップも充実しますし、必要な時に必要なものが1つの仕入れ先で済むのも簡易的です。

② 低価格であることです。
当然のことながら、同じ商品を購入するのであれば安いに越したことはありませんし、原価に関わるのでここがかなり重視されるところでもあります。ただし、安さだけで選んでしまうと品質問題も出てきますので、使ったことのある商品でもこれまでと違う安いサイトで購入した際には、まずサンプルで確かめてから提供しましょう。

③ 指名度と信頼が備わっているかです。
仕入れ先の知名度や信頼性の有無は重要です。よく分からないどこにあるのかはっきりしない業者は怪しいのと同時に、トラブル報告もとても多いのです。傷がついていたり、発送時期がいい加減であったり・・・。その点、誰もが知っている業者であれば安心して取引が出来ます。

④新製品がよく出ることです。
食べ物にも流行と言うものがありますから、時代の変化についていくことが出来るように、業者の商品も日々新しいものに対応できるようなラインナップであることが大切です。積極的に自社開発を行って商品を増やしているところが理想的です。

⑤安定した供給力があることです。
とても良い商品でも、在庫が少なくてお店を営業するにあたって必要な個数を購入することが出来ない業者や、頻繁に商品の入れ替えが行われていて、短期間で取り扱いが無くなってしまうような場合は避けましょう。安定的に継続して同じ商品を買うことが出来なければ、味が日々変化してしまい、お客様の信頼を失うことに繋がります。

これらの項目を注視しながら、安心して取引が出来る仕入れ先を見つけていきましょう。
もしも返品条件や支払い条件など取引条件において公正でないと感じたり、どちらか一方が無理な条件がある場合には、今後の関係性悪化に発展しかねないので避けるのがベストです。

反対に信頼できる業者の見極め方としては、レスポンスが早いところが良いでしょう。コミュニケーションが円滑に進み、トラブルがあっても迅速に誠実に対応してもらえるところが多いです。レスポンスが早いと安心できますし、ノンストレスで仕入れが出来ます。

ネット通販、メーカーや卸問屋街など仕入れ先を選ぶのに様々な選択肢がありますが、基本的に注目すべきポイントはどこでも共通です。手間はかかりますが、自ら実際に仕入れ先に足を運んだり比較検討を充分に行ったりして、長くお付き合いできるところを見つけてください。

物件の選定。

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物件選びの前にまずやるべきことは、競合や商圏分析です。
自分がここに出店したいなと考えている地域に今どのくらいの数のかき氷屋があって、また、そこではどのようなコンセプトのかき氷が提供されているのかを見て、自分のお店と被るところが無いかどうかを確認しておく必要があります。
そして、かき氷以外のお店で、例えばチェーンのアイスクリーム屋が近くにあったり人気和菓子店があったりと、スイーツに関する競合店はいったいどのくらいあるのかなども調査しておきましょう。

さらに重要なのは、その地域に住んでいる人たちです。
年齢層や近くの競合店の客層を確認することで、自分のお店とどの程度マッチしているのか、開店後に来てもらえるかどうかを見極めることが出来ます。その地域の人たちが好みそうなかき氷も同時に調べることが出来そうですね。遠方客は後からついてくるもので、まずはその地域に愛されるお店でなくてはならないので、徹底して分析しましょう。

時々、この場所はどんなお店を開いても数年ですぐに潰れてしまうという、立地条件に問題がある土地も存在します。そのような場所は、たとえ安価で借りられたとしてもあまり縁起の良い場所ではないので、避ける方が良いでしょう。
そういった、地域の人しか知らないような土地の情報も、物件探しで何度も色々な不動産を巡っていると耳に入ってくることもありますので、調査を怠らないように気を付けてください。

迷った時には、飲食店開業に向いている物件として、「居抜き物件」と呼ばれるものがあります。これは、もともと入っていたテナントの内装と外装がそのまま残っている物件で、コスト削減に最適です。
そして、自由に思い通りのお店を作りたいという方は、「スケルトン物件」と呼ばれるものがおすすめです。こちらは前のテナントのものは残していないので、一から自分のお店作りが可能となります。
居抜き物件は人気で競争率が高いため、多くの方はこのスケルトン物件で開業されています。どちらによりメリットを感じるかはオーナー様の考え方によりますが、自分の中で「居抜き物件が絶対!」という気持ちがある方は、開業場所を決める際にまずは物件を探してから、物件が決まった場所で開業するという逆の順番になることもありますので注意してください。人気エリアは空きを待つ人もいるくらいですので、早めに目星をつけておく必要もあります。

物件が決まった時に最初の悩みはお金に関することが多くなりますが、保証金・礼金・仲介手数料・前払い賃料の4点は借りる際に必要となってきます。賃料だけを計算に入れておくと開業資金が不足してしまうので、多めに用意しておかなくてはなりません。
保証金の相場は賃料の6ヶ月から12ヶ月分で、礼金は無いところもありますが約2か月分。そして仲介手数料屋1ヶ月分に、前払い賃料として契約月と翌月の2ヶ月分ほどかかります。保証金は退去時に返還されますが、ここまでで賃料の17ヶ月分ほどの金額がかかることになります。
また契約後も共益費や管理費などが発生していきますので、ここまでの必要経費を考えて自分の希望物件と賃料がマッチせず、思った以上に物件探しに時間を取られてしまうことがあります。

立地は大きく分けて、商業エリア・オフィス街・住宅街の3種類になります。
必ずしも駅に近くて繁華街なら成功するというわけでもありませんが、集客が見込みやすい場所ほど当然ながら賃料も高いところが多くなりますので、どのくらいの規模のお店を目指すのかを見誤らないようにしておきましょう。
重要なのは自分の求めるターゲット層が集まる場所です。

店舗の内装と外装の選定。。

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物件が決まれば、いよいよ内装・外装のレイアウト作成と工事を行っていきます。

内装や外装とメニュー内容が合っていなければ、「思っていたものと違う」と悪い印象を持たれてしまい、居心地の悪さを感じさせてしまう可能性があります。
そのため、内装・外装を作る際にもコンセプトをしっかりと反映させるようにすることが重要となります。

内装・外装の会社には、デザインを行う「デザイン・設計会社」、施工のみを行う「施工会社」、デザインと施工の両方を行う「設計・施工会社」の3種類あります。
この3種類にはそれぞれメリット・デメリットがあるのでじっくりと検討してみてください。

まず1つ目、「デザイン・設計会社」はお店の設計やデザインを手がけ、施工自体は別の会社に依頼します。
メリットとしては、デザインに関するプロであるため、デザインのクオリティが高いという点です。また、デザインと施工が別になるため、数社から見積をとって比較をすることも出来ます。
デメリットとしては、デザイン・設計と施工で分担するため、業者選びに時間がかかる点です。やり取りする業者もその分増えるため、手間が発生します。
とにかくとことんデザインにこだわりたい方や、比較的スケジュールに余裕がある方におすすめです。

2つ目に「施工会社」は基本的に自社でデザイン設計は行わず、職人さんを管理する会社です。
メリットとしては、施工を直接職人さんに依頼するため、費用を抑えることが出来る点です。
例えば居抜き物件で内装をそのまま使う場合は早く完成させられ、その上オープン費用も抑えることが可能です。
デメリットとしては、デザイン設計も受注している施工会社の場合はデザインを外注することが多いため、その手間が発生する点と、自分で外注先は決められない為、好みのデザインにならない場合がある点です。

最後に「設計・施工会社」は店舗のデザイン・設計だけでなく、施工も自社で行うことができます。
メリットとしては、窓口が1つなので設計から工事完成までの打合せがスムーズで、工事期間を短縮することが可能な点です。
デメリットとしては、先述した1や2に比べ、トータル費用が高くなる可能性がある点です。
開店までの時間短縮や、連絡先を1つにしたい場合はこちらがおすすめです。

どこに依頼するとしても、必ず飲食店の設計・施工の経験が豊富なところを選ぶようにしてください。飲食店の内装は専門的知識が必要になるため、経験の浅い業者を選ぶとトラブルの発生原因に繋がりかねません。
また注意事項として、見積もりを取った後に追加工事が必要になった場合、改めて見積もりを計算してもらったら必ず書面で確認してください。知らない間に高額な請求金額になっている場合もありますので、施工前に確認しておきましょう。
スケルトン物件の場合、居抜き物件に比べて工事費用が大幅に増えてしまいますので、物件選びの際に工事費用も頭に入れておくと良いです。

かき氷提供を小さなカフェでゆっくりやっていきたいと、安価な物件を自分で改装している方もいらっしゃいます。作業が得意な方は個人でやられるのも自由度が上がりますし、独特なデザインがSNSで反響が良いこともありますよ。

失敗しないためのコツ。

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かき氷屋を経営するにあたって、成功の秘訣を知っておくのも需要ですが、同時に失敗しないコツも知っておくと良いでしょう。

それは、主に夏という季節性の商品である故、秋冬のメニューを考えておくことです。

夏が一番売れる時期ではありますが、冬の寒い時期には売れ行きが落ちてしまうことが懸念されます。
季節による売り上げの変動を最小限に抑えるために、かき氷以外のメニューを加えたり、敢えて冬限定のかき氷メニューを作るなどして対策を練りましょう。
冬でも魅力的なメニューがあることをSNSで発信し、多くの人の目に留まるように日頃からSNS更新を行って、常に顧客と繋がっておくことも重要です。

– まとめ

かき氷屋の開業準備は、初めての方にとっては考えなくてはいけないことや決めなくてはいけないことが山ほどあって大変かもしれませんが、実際に自分の理想がお店という形になっていくのは楽しい作業でもあります。
是非楽しみながら、美味しいこだわりのかき氷店を完成させてください。

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